地方移住するなら会社員と個人事業主どちらがいい?知っておきたい働き方の選び方

第八番地

地方移住を考えているものの、「会社員のまま移住するか」「個人事業主として独立するか」で迷っている方は多いと思います。私自身、大阪から鳥取に移住し、現在は古民家宿やキャンプ場を運営する個人事業主として活動しています。

この記事では、移住後の働き方として会社員と個人事業主のどちらを選ぶべきか、現場目線で整理していきます。

先に私の持論をお伝えします。

移住直後は会社員、地域に慣れてから個人事業主への切り替えがリスクを抑えやすい

地方移住直後は、会社員(リモートワークや現地での就職)として生活基盤を作り、地域や事業の見通しが立ってから個人事業主に切り替えるのが、もっとも失敗しにくいパターンではないかと思います。

ただし、これは「絶対に会社員から始めるべき」という話ではありません。すでにやりたい事業が明確で、資金や顧客の見込みがある場合は、移住と同時に個人事業主として開業する選択も十分にあり得ます。

判断のポイントは大きく3つです。

・移住後すぐに収入を得られる事業アイデアがあるか
・移住資金・生活費の余裕がどれくらいあるか
・家族の生活基盤(医療・教育・収入の安定性)をどこまで優先するか

この記事では、会社員・個人事業主それぞれのメリット・デメリット、比較表、よくある失敗、移住前にやるべきことを順に解説します。

この記事でわかること

・地方移住後に会社員を続けるメリット・デメリット
・地方移住後に個人事業主として独立するメリット・デメリット
・会社員と個人事業主の違いを整理した比較表
・どちらが自分に向いているかの判断基準
・移住者がよく陥る失敗パターン

地方移住後も「会社員」を続けるメリット・デメリット

地方移住=独立、というイメージを持たれがちですが、実際には会社員を続けながら移住する人も少なくありません。

メリット

  • 収入が安定する:毎月の給与が確保されるため、移住直後の生活費や住宅費の不安が少ない
  • 社会保険・福利厚生が継続される:健康保険や年金の手続きが個人事業主に比べてシンプル
  • 住宅ローンや融資の審査で不利になりにくい:金融機関によっては個人事業主より会社員の方が審査が通りやすいケースがある
  • 地域に慣れる時間を確保できる:収入の心配をしながら事業準備をするより、地域の人付き合いや生活環境の把握に時間を使える

デメリット

  • 働く場所や時間の自由度が低い:リモートワーク可能な職種でない場合、通勤可能な範囲に住む場所が制限される
  • 地方では求人の選択肢が少ない:都市部に比べて職種や給与水準の選択肢が限られることが多い
  • 「いつか個人事業主に」と思いながら時間が過ぎやすい:安定した収入があると、独立のタイミングを逃しやすい面もある

地方移住後に「個人事業主」として独立するメリット・デメリット

一方で、移住をきっかけに個人事業主として事業を始める人も多くいます。私自身も古民家宿・キャンプ場の運営という形で、この働き方を選んでいます。

メリット

  • 働く場所・時間の自由度が高い:地方ならではの土地や物件を活かした事業を、自分のペースで組み立てられる
  • 地域資源を直接事業にできる:空き家、古民家、土地、観光資源など、地方特有の資産を活用しやすい
  • 収入の上限が会社員より高くなる可能性がある:事業が育てば、給与収入の枠を超えた収益を作れる
  • 地域とのつながりが事業に直結する:地域の人脈や信頼が、顧客獲得や物件紹介などに直接影響しやすい

デメリット

  • 収入が不安定になりやすい:特に開業初期は収入が安定するまでに時間がかかることが多い
  • 社会保険・税務の手続きが自分で必要:国民健康保険・国民年金への切り替え、確定申告など、会社員時代より事務負担が増える
  • 融資や許認可のハードルがある場合がある:宿泊業やサウナ業など、業種によっては保健所・消防への許認可申請が必要になる場合がある(地域や業種によって条件が異なるため、必ず自治体や管轄窓口に確認が必要です)
  • 失敗した場合のリスクを自分で負う:会社員と違い、事業の失敗が直接生活に影響する

私は当時公務員として働いていましたので、副業が禁止でしたが、仮に副業がOKな場合は、会社員という肩書は残しておいて、副業(個人事業)を進めるのが最善だと思います。

上記に挙げた会社員のメリットは個人事業主にはないもので、会社員のメリットを活用しながら進めていくほうが合理的ではないかと思います。

会社員と個人事業主の比較表

比較項目 会社員 個人事業主
収入の安定性 高い(給与が確保される) 低い〜中(事業の状況による)
社会保険 会社が手続き・一部負担 自分で国民健康保険・国民年金に加入
初期費用 ほぼ不要 業種により設備・物件・許認可費用が発生
働く時間・場所の自由度 低い〜中(職種による) 高い
収入の上限 給与の範囲内 事業の成長次第で上限がない
融資・ローン審査 通りやすい傾向 事業計画や実績が問われやすい
地域資源の活用度 低い 高い(空き家・土地などを直接活用できる)
リスクの所在 会社が負う部分が大きい 自分で負う

どちらが向いているかの判断基準

会社員と個人事業主、どちらが向いているかは、以下の観点で整理すると判断しやすくなると思いますので参考にしてください。

・事業アイデアの具体性:やりたい事業がすでに明確で、顧客やニーズの見込みがあるなら個人事業主からのスタートも検討できる
・資金の余裕:生活費6ヶ月〜1年分程度の余裕があるかどうかで、リスクの取りやすさが変わる
・家族構成:子どもの転校や医療体制など、生活の安定を優先したい場合は会社員からのスタートが現実的
・地域とのつながりの有無:すでに地域に知り合いがいる、土地や物件の目当てがある場合は、個人事業主としての動き出しがスムーズになりやすい
・リモートワークの可否:現在の職種でリモートワークが可能なら、会社員を続けながら移住するハードルは下がる

私は公務員を脱サラしキャンプ場開業をしたのですが、その開業のタイミングはコロナ禍でした。

当時、コロナ禍でのキャンプブームや、開拓の様子がメディアに取り上げられことが増えたり、SNSを見ていただいていた方からの声も後押しになり、「今しかない!」という気持ちになりました。

これが「事業アイデアの具体性」だと思います。

また、働きながらの開業準備だったので「資金の余裕」はある程度確保することができていました。子供もいないので「家族構成」についても支障はなく、すでに土地もあったり、地元の方との繋がりがあったので「地域とのつながり」もクリアしていたと思います。

地方移住者によくある失敗

地方移住・田舎起業でよく見られる失敗パターンを2つ紹介します。

失敗1:収入の見通しを立てずに個人事業主として移住してしまう

「地方なら生活費が安いから何とかなる」という考えだけで個人事業主として移住し、開業後の収入が安定するまでの期間を見誤るケースです。生活費だけでなく、設備投資や許認可にかかる費用も含めて、開業後しばらくの資金計画を立てておく必要があります。

失敗2:地域との関係構築を後回しにしてしまう

事業準備や手続きに集中するあまり、地域の人付き合いや自治体・商工会議所との関係構築を後回しにしてしまうケースです。地方では、物件紹介や顧客獲得、トラブル時の相談先など、地域との関係が事業の進めやすさに直結することが多くあります。

FAQ

Q1. 地方移住と同時に個人事業主として開業するのは無謀でしょうか?無謀とは言い切れませんが、事業アイデアと資金計画が明確でない場合はリスクが高くなります。まずは会社員やリモートワークで生活基盤を作りながら、事業準備を並行して進める方法もあります。

Q2. 会社員を続けながら地方で副業として事業を始めることはできますか?会社の就業規則によりますが、副業として小規模に事業を始め、軌道に乗った段階で個人事業主として独立するという進め方を取る人もいます。就業規則の確認と、税務上の取り扱い(確定申告が必要になる場合があるなど)は事前に確認しておくことをおすすめします。

Q3. 個人事業主になると、会社員時代と比べて社会保険はどう変わりますか?会社員は会社の健康保険・厚生年金に加入していますが、個人事業主になると国民健康保険・国民年金への切り替えが必要になります。保険料の負担額は会社員時代と異なり、全額自己負担となりますので、高額になる可能性が大いにあります。

まとめ

地方移住後の働き方として会社員と個人事業主のどちらが良いかは、事業アイデアの具体性、資金の余裕、家族構成によって変わります。

・事業の見通しがまだ立っていない場合は、会社員やリモートワークで生活基盤を作りながら準備を進める
・すでに事業アイデアと資金計画が明確な場合は、移住と同時に個人事業主としてスタートする選択もある

どちらを選ぶ場合も、移住前の資金計画と地域との関係構築は欠かせません。まずは自分の状況を整理してみてください。

タイトルとURLをコピーしました