【田舎でサブスク】地方移住後の収入源?キャンプ場サブスクモデル導入事例まとめ

第八番地

移住後の収入、本当に大丈夫?

地方移住を検討している30〜40代の多くが、最初にぶつかる壁が「収入」です。

「田舎に住みたいけど、仕事はどうする?」 「副業でうまくいく事業モデルを作れるのか?」 「初期費用をかけずに安定した収益を得られるのか?」

この記事では、キャンプ場・農業・住まい・温泉など、地方施設で実際に導入されているサブスクリプション(月額定額)モデルの事例を紹介し、地方移住後の収入源としてどれくらい現実的なのかを整理します。

結論:田舎でサブスク事業は可能

結論から言うと、田舎でのサブスクモデルは、キャンプ場に限らず実際に機能しています。 ただし、向いている立地・規模・運営スタイルがあり、向いていないケースもあります。
この記事を読み、自分の状況に当てはめてみてください。

この記事でわかること

・田舎サブスク事業の国内事例
・私自身が実際に運営しているサブスクの内容
・サブスクモデルのメリット・デメリット
・導入時によくある失敗2つ
・地方移住後の収入源として現実的かどうかの判断基準

キャンプ場のサブスクとはどんな仕組みか

まずはじめにキャンプ場におけるサブスクについて。

キャンプ場のサブスクとは、月額定額の料金を支払うことで、その期間中キャンプ場を何度でも(または一定回数)利用できるモデルです。

利用者側のメリットは「通う人ほどお得」という単純明快さにあります。
運営者側のメリットは「利用されなくても収益が入る」という安定性です。

一般的なモデルは大きく3パターンあります。

①単施設フリーパス型 1つのキャンプ場を月額定額で使い放題にする。管理がシンプルで個人事業主でも始めやすい。
②複数施設周遊型 複数のキャンプ場が加盟し、共通の月額で各施設を利用できる。運営の複雑さはあるが、ユーザーの選択肢が広がる。
③会員制コミュニティ型 月額会員になることでキャンプ場の利用権+コミュニティや特典が得られる。リピーター形成と口コミ拡散に強い。

田舎サブスク事業の国内事例6つ

キャンプ場だけでなく、農業・住まい・温泉など、地方の「土地・施設・体験」をサブスク化した事例が各地で生まれています。自分の持っている資源と照らし合わせながら読んでください。

【キャンプ場】事例①:CAMP SPACE DOSHI 2.0(山梨県道志村)

山梨県道志村にあるサブスク型キャンプスペースです。

オーナーと知り合いで、仲良くさせてもらっています。

月額3,000円(ソロ)、4,000円(ファミリー)で何度でも利用でき、子どもの同伴は無料です。

日本初のキャンプのサブスクと言われており、メンバーシップ制で荒れ地の開拓なども会員全員で行うスタイルが特徴です。メンバー全員で管理している遊び場のような感覚で楽しむことができます。

会員数を限定していて、過密になることなく広々としたキャンプを楽しめます。

事業者目線での注目ポイント: 会員数を意図的に制限することで、サービス品質を保っている点。安定収益ベースを作りながら、コミュニティとして機能させている構造は参考になります。

同様に知り合いのサブスク型キャンプ場には、三重県美杉町のWoods Land Mioがあり、こちらも通い放題でキャンプを楽しめます。

【農業】事例②:はたけビュッフェ(愛知県岡崎市発→全国展開中)

愛知県岡崎市の農園「はたけビュッフェ」が始めた、月額定額で野菜を収穫し放題にするサブスクです。

大人1人世帯月額4,4000円~(18歳未満無料)で、その日収穫できる野菜の種類・収穫方法・調理法が「おしながき」として畑に張り出されています。道具はすべて無料貸し出し。利用者は農作業ができる服装で来場するだけです。

近隣だけでなく、高速道路を使って1時間以上かかる場所からも家族連れが来場しています。

農家にとっての最大のメリットは、収穫・調製・発送という労働時間の半分以上を占める作業を、利用者に担ってもらえる点です。

この取り組みに影響を受け、全国展開するサービスが生まれ、2026年時点で10県で開園または準備中です。

事業者目線での注目ポイント: 「土地と作物はある。でも収穫・出荷が大変」という農家の悩みをそのままサブスクの設計に変換した発想です。
自分のしんどい部分は、他人にとっては楽しい部分であるという発想の転換だと思います。

【住まい・空き家活用】事例③:ADDress(全国300拠点以上)

月額9,800円〜で全国300か所以上の拠点に住める「住まいのサブスク」です。

拠点のほとんどは地方の空き家や遊休別荘をリノベーションしたもので、光熱費・Wi-Fi込み、家具家電完備。会員は予約チケットを使って好きな拠点に滞在します。

各拠点には「家守(やもり)」と呼ばれるコミュニティマネージャーがいて、地域情報の案内や会員同士の交流をサポートします。家守は拠点の近くに住んでいることが多く、地域住民との橋渡し役も担います。

物件オーナーは空き家をADDressに賃貸として提供し、家賃収入を得る仕組みです。オーナー自身が家守として運営に関わることもできます。

事業者目線での注目ポイント: 地方移住後に空き家を取得・改修した場合、「自分で宿泊事業を運営する」以外に「ADDressのような多拠点プラットフォームに物件を提供する」という選択肢もあります。
二拠点生活や多拠点生活をしている人が増えてきていますので、運営の手間を減らしながら固定収入を得たい場合の参考になるモデルです。

【温泉】事例④:yoriyo(大分県九重町・宝泉寺温泉)

大分県九重町の宝泉寺温泉エリアで展開されている、地域の温泉施設を月額で使い放題にするサブスクです。

エリア内4つのホテル・旅館の源泉かけ流し温泉が対象で、月額5,000円(全日利用)で利用できます。

単体旅館が「月額温泉サブスク」を設計しようとすると、1施設だけでは価格の正当性が作りにくく、会員数も集まりにくいという課題があります。複数施設が連携することで「エリアで選ばれる」価値が生まれ、1施設あたりの負担を分散しながらサービスとして成立しています。

事業者目線での注目ポイント: 「自分の施設だけでは弱い」と感じる場合、近隣の同業者・補完施設と連携してサブスクを作る発想です。キャンプ場×温泉、農園×宿泊など、隣接する施設同士の組み合わせで価値が高まります。

【キャンプ場】私の事例:山林レンタル(おじろじろキャンプ場

兵庫県香美町にある「おじろじろキャンプ場」が私の運営しているキャンプ場です。

キャンプ場は自分の手で開拓をしているのですが、広大な敷地で全然手が回らない状態でした。そんなときに、山を買いたいけどどうしたらいいかという相談が多く、「山を貸し出せばイメージしてもらいやすい」のではないかと思いました。

そこで、キャンプ場として使っていない山の一部を貸し出して自由にキャンプをしてもらうという「山林レンタル」という名前でサブスク事業を行うことにしました。

当然、未開拓の山の一部を貸すので、整地もしていません。

お客さん自ら開拓をして、自分の好みのサイトを作ることになります。

広さはだいたい400㎡~700㎡、場所によりますがかなり広いサイト作りが可能です。

こちらとしては、未開拓の場所を有効活用できて、きれいになりますし、お客さんは自分だけのサイトを確保できて、自由に開拓ができるのがメリットになります。

月額1万円(4人まで共有名義が可能。4人で借りれば一人2,500円。)で利用が可能です。また、そこにお友達を連れてきて自分のサイトでキャンプすることも可能です。(最大4名まで。5名以降は追加料金としています。)

連休の混雑もなく、確実に自分の場所があり、チェックインもアウトも自由にしています。

1回のキャンプ場利用料が3000円~なので、人によっては1回で元が取れる形にしています。

おじろじろキャンプ場は冬季期間クローズのため、支払いが発生するのは原則4月から12月となります。

現在は9サイト中7サイトが埋まっております。

もし、ご興味のある方がいましたら、
ぜひ「ojirojiro.campsite@gmail.com」またはInstagramへご連絡ください。

サブスクモデルのメリット

売上が読めるようになる

都度課金のキャンプ場は、雨天・季節・連休の有無で売上が大きくブレます。サブスク会員がいれば、その分の収益は天気に関係なく確定します。地方移住後の生活設計において「最低いくら入るか」が見えることは精神的にも大きな安定につながります。

リピーターが自然に育つ

月額を払っている会員は「元を取ろう」という心理が働き、繰り返し来場します。来場回数が増えるほど施設への愛着が深まり、口コミや紹介につながりやすくなります。

オフシーズンの稼働率が上がる

平日や冬季など、通常は閑散とする時期でも、月額会員は来場する動機を持っています。稼働率の底上げに直接つながります。

コミュニティが形成される

継続的に通う会員同士が知り合いになり、施設がコミュニティの場になります。SNSでの自発的な発信が増え、広告費をかけずに認知が広がる効果があります。

サブスクモデルのデメリットと注意点

繁忙期の機会損失が出る場合がある

土日祝の連休など、通常料金で取れる売上が、サブスク会員の来場で圧迫されるリスクがあります。完全サブスクのキャンプ場だと、売り上げの上限が決まってきます。

繁忙期は除外する、または予約制を組み合わせるなどの設計が必要です。

会員数が増えすぎると品質が下がる

会員数に上限を設けないと、人気が出た際にサイトが混雑し、サービスの質が下がります。前述のCAMP SPACE DOSHI 2.0が人数を限定にしているのはこのためです。施設の規模に合った上限の設計が重要です。

解約時の収益減が一気に来ることがある

まとまった会員数が同時期に解約すると、月次収益が急落します。更新タイミングの分散や、解約前のフォロー連絡など、チャーン(解約率)管理の仕組みを最初から考えておく必要があります。

決済システムの準備が必要

月額自動引き落としや決済管理には、StripeやBASEのサブスク機能などのツール導入が必要です。導入自体は難しくありませんが、初期設定と運用ルールを整備する手間がかかります。

よくある失敗2つ

失敗①:価格設定が低すぎて会員が来すぎる

「月額を安くすれば会員が増える」という発想で低価格に設定した結果、想定以上に来場者が増え、サイトが混雑してサービス品質が下がり、長期会員が解約するという悪循環が起きるケースがあります。

サブスクの価格は「何回来たら元が取れるか」と「施設が快適に保てる来場回数の上限」を両方考えて設定する必要があります。

失敗②:サブスク会員向けの体験設計を後回しにする

「使い放題にすれば勝手に来る」と思っていたものの、2〜3回来場したあとにネタが尽きて解約されるパターンです。

月1〜2回来場するサブスク会員が「毎回楽しめる理由」を設計しておく必要があります。季節のイベント・薪の収穫体験・会員限定エリアの開放など、来るたびに「何かある」状態を意図的に作ることが継続率に直結します。

地方移住後の収入源として、サブスクは現実的か

現実的です。ただし、次の条件が揃っていることが前提になります。

向いているケース

  • 土地や空き家をすでに持っている、または安く借りられる
  • 都市部から1〜2時間圏内(日帰りできる距離感)
  • 平日に来場者が少なく、稼働率が低い時間帯がある
  • 自分で管理・運営できるサイズ感の施設

向いていないケース

  • 土地の取得から始める場合(初期費用の回収に時間がかかる)
  • 冬季に完全閉鎖が必要な立地(サブスク収益が途切れる)
  • アクセスが極端に悪い場所(会員のリピートが難しい)

サブスク導入チェックリスト

地方施設でサブスクを始める前に確認しておくべき項目です。

□施設の収容キャパシティを把握している
□月額の適正価格を逆算している(何回来たら元が取れるか)
□会員上限数を決めている
□繁忙期の扱い(除外 or 予約制)を決めている
□決済システムを選定している(Stripe / BASE / その他)
□解約・退会の手続きルールを決めている
□会員向けの告知・連絡手段を持っている(LINE / メール等)
□来場回数を記録・管理できる仕組みがある
□サブスク会員向けの「繰り返し来る理由」を設計している

FAQ

Q.サブスク会員を集めるには最初に何人必要ですか?

損益分岐点から逆算するのが基本ですが、事業としての体裁を作るためには最低10〜20人程度が目安になることが多いです。ただし、最初から大量募集せず、5〜10人のテスト会員から始めて価格・運用を調整するほうが失敗しにくいです。

Q.農地や山林をキャンプ場に転用する際、行政手続きは必要ですか?

用途や規模によって、農地転用の手続きや開発許可、旅館業法・特区民泊の適用可否など、確認が必要な法令・制度が複数あります。地域によって扱いが異なり、自治体の窓口や専門家への相談が必要です。

Q.キャンプ場以外の地方施設でもサブスクは使えますか?

使えます。この記事で紹介したように、農業(収穫体験)・住まい(空き家多拠点)・温泉(地域連携)でも実際に機能している事例があります。共通するのは「繰り返し使える施設・体験であること」と「月額分の価値を毎月感じてもらえる設計があること」の2点です。サウナ・体験工房・コワーキングスペースなど、組み合わせの選択肢はさらに広がります。

Q.月額いくらに設定するのが一般的ですか?

国内事例を見ると、月額2,970円〜10,000円の範囲に集中しています。ターゲットの来場頻度(月1〜4回)と、通常の都度課金料金を基準に「2〜3回来れば元が取れる」水準が離脱率を下げる目安になります。ただし、施設のコスト構造によって適正価格は異なります。

Q.会員募集はどうやってやればいいですか?

まずSNS(Instagram・X)での発信と、既存のリピーター客への直接案内が最もコストがかかりません。会員数が増えてきたら、SEO記事・Google マイビジネスの充実・地域情報誌への掲載などが次のステップになります。

まとめ

地方でキャンプ場・農園・空き家・温泉などの施設を運営しながらサブスクモデルを導入することは、移住後の安定収入を作る手段として十分現実的です。

①会員数の上限設計が命 施設のキャパシティを超えた会員数を取ると、サービス品質が下がり長期的に解約が増えます。最初に「何人まで取るか」を決めてから募集してください。

②価格は「来場回数×価値」で設計する 月額の安さで集めるのではなく、「2回来れば得」という設計で十分です。安すぎる価格は施設の価値を下げます。

③サブスクは「安定収入の土台」として使う 全収益をサブスクにする必要はありません。サブスク会員を20〜30名確保して毎月の固定収益を作り、その上に通常課金・物販・体験プログラムを乗せる多層構造が長続きします。

実際、サブスクを始めてみると、安定収益があるという精神的な安定につながっています。
私も最初からサブスクをしたいと考えていたわけではありませんでした。
これから事業を考えるときに「まずはサブスク」ではなく、自分の事業に合うサブスクを見つけてから付加価値をつけてより良いものに昇華すればサブスク事業が見えてくるのではないかと思います。

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