キャンプ場を始めたいと思って土地を探していると、必ずぶつかるのが「この土地、山奥すぎないか」という不安です。ICから遠い、最寄りのコンビニまで車で30分、道も細い。そんな土地しか見つからなかったとき、開業をあきらめるべきか悩む人は多いと思います。
迷う気持ちはよくわかります。「アクセスが悪い=お客様が来ない=失敗する」という単純な図式が離れませんよね。一方で、街に近い土地は価格が高く、競合も多いという別の悩みもあります。
結論から言うと、山奥でも十分に集客できます。ただし、距離そのものは実はそこまで重要ではありません。本当に見るべきは「アクセスの悪さを上回る体験価値を作れるか」と「インフラ面の最低条件を満たしているか」の2点です。
この記事でわかること
・立地選びで本当に確認すべき7つの条件
・山奥のメリット、デメリット
「山奥だから失敗する」は思い込みであることが多い

キャンプ場には大きく2つのタイプがあると考えています。
秘境型(山奥型):非日常感・静寂・星空などの体験価値で集客する
都市近郊型と同じ集客方法(「来やすさ」を売りにする)を山奥でやろうとすると、当然うまくいきません。逆に、山奥という条件を前提にコンセプトを設計すれば、アクセスの悪さはむしろ「ここでしか得られない体験」という強みに変わります。
つまり、立地の良し悪しを単独で判断するのではなく、「その立地でどんなコンセプトが成立するか」とセットで考える必要があります。
キャンプ場の土地選びで確認すべき7つの条件

山奥の土地を選ぶとき、単純に「街から近いか」「アクセスが良いか」だけで判断するのは危険です。
重要なのは、その土地でキャンプ場として運営できる条件がそろっているかどうかです。
道路状況とアクセス時間
山奥の土地で確認しておきたいのは、
・急勾配や危険なカーブがないか
・雨の日に道路状態が悪化しないか
・冬季に積雪や凍結で通行できるか
お客様は「多少遠い」ことは許容できますが、「到着まで不安な道」は予約のハードルになります。私の運営しているおじろじろキャンプ場は、入り口手前700mが砂利道の山道になり、バイクで来られる方のハードルになっております。冬季も積雪で通れないので、こうした箇所は事前に確認して、できれば避けたほうがいいと思います
水を確保できるか
キャンプ場運営では、水の確保は非常に重要です。
・井戸や湧き水が利用できるか
・浄化槽で対応できるか
土地価格が安くても、水の整備に大きな費用がかかるケースがあります。
電気・通信環境を整えられるか
キャンプ場運営では、電気と通信環境は必須に近い設備です。
・工事費はいくらかかるか
・携帯電話の電波が入るか
・Wi-Fi環境を作れるか
予約対応、キャッシュレス決済、緊急連絡などを考えると、開業前の確認が必要です。
法規制・許認可の問題がないか

土地として使えるかどうかは、立地以前に確認が必要です。
例えば、
・山林の場合、開発許可が必要ではないか
・建築物を設置できるか
・キャンプ場営業に必要な手続きは何か
「良い土地を見つけた」と思って購入した後に、思った使い方ができないケースもあります。
ターゲット層を確認

重要なのは「何km離れているか」ではなく、「誰に来てもらうか」です。
・ソロキャンプ向けなら静かな環境が価値になる
・サウナや宿泊施設と組み合わせるなら目的地化しやすい
というように、ターゲットによって適した立地は変わります。
たとえば、私の運営するおじろじろキャンプ場は最寄りのICから1時間はかかります。大阪から3時間、神戸から2時間、近いとは言えません。山奥にあるキャンプ場なので、ターゲットは完全に「キャンプ大好きメンズ」です。キャンプが好きな男の人は移動距離にそこまでこだわりません。というのも自分がそうだったからです。遠くても、いいキャンプ場なら行きます。都市近郊型と同じようなことをしていては勝てませんので、秘境型としての魅力を全面に押し出してブランディングしています。
周辺資源との組み合わせができるか
山奥のキャンプ場は、施設単体だけで勝負すると集客に時間がかかります。
・観光スポット
・地元飲食店
・道の駅
・アクティビティ
・地域イベント
などとの連携可能性を確認しておくといいでしょう。
「キャンプをする場所」ではなく、「その地域へ行く理由」を作れるかが重要です。道中に温泉や道の駅などがあるだけで、それが強みにもなります。
初期投資と回収計画が成り立つか

最後に確認すべきなのは、事業として成立するかです。
必要になる費用例:
・道路整備費
・水道設備費
・電気工事費
・管理棟や設備費
契約前に、最低限「開業までにいくら必要か」「何組利用すれば回収できるか」を計算しておくことが重要です。結局は、続けられるかどうかが大事なポイントになってくると思います。
山奥という立地のメリット・デメリット
メリット
- 静寂性や星空など、都市近郊では得られない体験価値を提供できる
- 土地の取得・賃借コストを抑えられる場合が多い
- 競合となるキャンプ場が少ない
デメリット
- 「来やすさ」に頼った集客ができないため、発信力が必須になる
- 悪天候時の対応(道路状況の悪化、停電など)への備えが必要
- リピーター中心の経営になりやすく、初期の集客に時間がかかる
私自身はキャンプが好きでいろいろ回ってきました。どちらかというと元々秘境型が好きで、都会からだんだん田舎道に入る感じが好きで、道中を楽しむことが好きでした。それに秘境型のほうが人が少なく、来ているキャンパーのモラルもしっかりしていて、静かにキャンプを楽しむことができるのです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 山奥でも携帯の電波は入りますか? 場所によって大きく異なります。契約前に実際の端末で複数キャリアの電波状況を確認することをおすすめします。
Q2. 冬季も営業できますか? 道路の積雪・凍結状況によって判断が分かれます。地域差があるため、自治体や地元の方に冬季の道路状況を必ず確認してください。
Q3. 集客はどうすればいいですか? 「来やすさ」ではなく「ここでしか得られない体験」を発信の軸にすることが重要です。SNSやブログでの情報発信、近隣の観光資源との連携が有効です。
まとめ:山奥かどうかより「条件を満たせるか」で判断する
山奥という立地そのものは、失敗の原因にはならないと思っています。
むしろ差別化できるポイントかとも思います。
ただし、上記で挙げたようにちゃんと車が通れるかどうか、インフラが整備できるかどうかなど確認しておくべきところも多くあります。こうした条件を満たしていれば山奥だからだめだということにはなりません。
よければほかにもキャンプ場開業について記事をまとめているのでぜひご確認ください。
