DIYでできる範囲・業者に頼む範囲|地方移住のリノベで後悔しないための判断基準

第八番地

地方移住のリノベ、「どこまで自分でやるか」で迷っていませんか?

古民家や空き家を取得して地方移住を考えると、最初にぶつかるのが「リノベをどこまで自分でやるか」という問題です。

「DIYすれば費用が抑えられる」とわかってはいるものの、

・素人が手を出してはいけない工事がある?
・法律違反になったら困る
・失敗して逆に修繕費がかさんだら本末転倒

こういった不安から、なかなか動き出せない人は多いです。

この記事でわかること

・DIYでやっていい作業・やってはいけない作業の判断基準
・法律上、素人が手を出せない工事の具体例
・DIYと業者依頼の費用比較
・地方・古民家特有のリスク
・よくある失敗と後悔ポイント

結論

地方移住のリノベで迷ったら、下記は業者依頼。

  • 電気
  • ガス
  • 水道配管
  • 耐震・構造

それ以外の、下記項目はDIYを検討してOKです。

  • 壁紙
  • 塗装
  • 断熱

判断基準は2つです。

  • 法律や資格が必要か
  • 失敗時のリスクが大きいか

DIYと業者依頼の全体像

まず全体をざっくり整理します。

カテゴリ DIY可否 理由
壁紙・クロス貼り替え 資格不要・失敗しても張り直せる
フローリング張り替え 技術は要るが資格不要
外壁塗装 足場が必要。高所リスクあり
電気工事(コンセント増設等) 電気工事士資格が必須
ガス工事 ガス工事資格が必須・危険
水道工事(給排水管) 自治体許可・資格が必要な場合が多い
断熱材の追加 壁を開けない範囲なら可能
耐震補強 専門家の診断が必要
間仕切り壁の撤去 構造壁かどうかの確認が必須
屋根修理 高所・構造への影響大
塗装(内装) 資格不要・やり直しがきく
タイル張り(内装) 技術は要るが資格不要

◎=積極的にDIY推奨 ○=DIY可 △=条件次第 ✕=業者に依頼

絶対に業者に頼むべき4つの工事

電気工事

コンセントの増設、スイッチの交換、照明器具の配線など、電気に関わる工事は第二種電気工事士以上の資格が法律で義務付けられています(電気工事士法)。

無資格で行うと法律違反になるだけでなく、漏電・火災のリスクも伴います。

費用目安(参考)

  • コンセント増設:1箇所あたり1.5〜3万円程度
  • 照明の新設:状況によるが1〜3万円/箇所

※地域・業者によって差があります。必ず複数社で見積もりをとってください。

第2種電気工事士の資格を取って自分ですることも可能です。私は持っていませんが…早くに取ってもよかったかもと後悔しています。コンセントの位置を変えたい、照明を増やしたいといったことはよく出てきます。その都度工事をお願いすると結構な金額になりますので、自分でできれば…と思うことが多々ありました。

ガス工事

ガス管の延長・接続・機器の取付(都市ガス・プロパンを問わず)は、液化石油ガス設備士やガス機器設置スペシャリストなどの資格が必要で、無資格作業は法律違反です。爆発・一酸化炭素中毒のリスクもあります。

水道工事(給排水管の接続)

蛇口の交換・パッキン交換はDIY可能ですが、給排水管そのものの接続・変更は自治体指定業者や資格保持者による施工が求められる場合がほとんどです。自治体ごとにルールが異なるため、事前に確認が必要です。

自治体によってルールが異なります。必ず市区町村の水道局に確認してください。

耐震補強・構造壁の撤去

古民家や築年数の古い物件では、どこが構造壁(耐力壁)かを素人が判断するのは困難です。構造壁を誤って撤去すると建物の強度が著しく低下します。耐震補強は、建築士や専門業者による診断を先に受けることを強く推奨します。

耐震基準・補助金制度は自治体・年度によって異なります。お住まいの自治体の公式情報を確認してください。

DIYで十分できる作業と節約できる費用

ここは積極的に自分でやることをおすすめします。

壁紙・クロスの張り替え

業者に依頼すると6畳1部屋で4〜8万円程度かかることが多いです。材料費は1,000〜2,000円/m²程度なので、自分でやれば材料費+道具代だけで済みます。

難易度は「慣れれば誰でもできる」レベル。最初の1面は時間がかかりますが、コツをつかめば作業スピードは上がります。

写真は床と壁を自分で変えたあとになります。
古臭さはかなり軽減されたと思います。
壁紙や床シートはRESTAさんという壁紙や床シートなどを販売しているところで購入しています。素人にやさしいのり付き壁紙や、豊富なデザインがあるのでおすすめ。気になった商品はサンプルを取り寄せることもできるので、色が思っていたのと違う、質感が想像と違うという失敗を防げます。

内装塗装

キャンプ場のトイレの写真です。こちらも内装はすべてDIY。
壁紙とモルタル仕上げを行いました。

業者に頼むと6畳で3〜6万円程度。DIYなら材料費数千円〜1万円程度で収まります。

ホームセンターで購入できるモルタル風にできる「モルモル」という商品で壁をモルタル仕様にしたことがあります。手でぬりぬりするだけで簡単にモルタル仕上げができるのでおすすめ。白色だけでなく、カラーバリエーションも豊富です。塗装だけじゃ物足りない人はモルタル仕上げもぜひ検討してみてください!

フローリングの張り替え(重ね張り)

既存床の上に張るだけの「重ね張り」であれば、資格は不要です。

ただし:

  • 既存床が腐食している場合はめくって補修が必要(難易度が上がる)
  • 床下に問題がある場合は先に確認が必要

業者依頼の目安:6畳で10〜20万円程度(既存床の状態による)

写真の通り、古民家の縁側を木の床にしたくて、わざわざ杉板を買って磨いて貼り付けしたことがあります。メリットはフローリング材より安いこと、本物の木の風合いがでること。デメリットは磨く手間があること、木の歪みで隙間ができてしまうこと、反ってしまうこと。これに関しては、考えが至らずデメリットのほうが大きかったなと感じました。DIYでするならちゃんとしたフローリング材を買うべきだと思いました。

断熱材の追加(床下・天井裏)

床下や天井裏に断熱材を追加する作業は、壁を壊さない範囲であればDIYが可能です。

地方の古民家は断熱材がほぼゼロという物件も多く、冬の快適性が大きく変わります。材料費は広さにもよりますが、6畳で数万円〜が目安です。

ただし、断熱材の種類・施工方法によっては結露・カビのリスクがあります。施工方法は事前にしっかり調べてから実施してください。

断熱施工は素人には難しいと感じてしまうと思いますが、施工方法自体は結構シンプルで、DIYでもできるレベルだと思います。ただ、断熱材のカットがうまく出来なかったりすると隙間が出てきたりします。隙間をテープで塞ぐという方法もありますが、私はまあいいやという感じで見て見ぬふりをしています。この隙間を許容できるような性格の人にとってはDIYでも十分できるかなと思います。

地方・古民家特有のリスク:DIY前に必ず確認すること

地方の古民家や空き家には、都市部の物件にはない固有のリスクがあります。DIYを始める前に必ず確認してください。

シロアリ被害

木造建築で最も怖いのがシロアリです。床下・土台・柱が侵食されていると、DIYでフローリングを張り替えても根本解決になりません。まず床下点検を行い、被害がある場合はシロアリ業者に先に入ってもらうのが正解です。

雨漏り・外壁の劣化

DIYで内装を仕上げても、外からの雨水侵入があれば意味がありません。屋根・外壁・サッシ周りの状態確認を先行させてください。

断熱ゼロ・結露

古民家は断熱性能がほぼない物件が多く、断熱なしで内装だけを仕上げると結露・カビが発生しやすいです。断熱施工は内装工事の前に行うのが鉄則です。

日本の住宅に断熱材が使われ始めたのは1970年頃からです。それ以前の建物には基本的に断熱施工されていないと考えていいと思います。古民家と呼ばれる建物は土壁と木でできているだけなので、冬場は非常に寒くなります。また、古民家は隙間も多いため隙間風が入ってきたりしますので、暖房費が嵩むことになります。

 

DIYが向いている人

  • 作業そのものを楽しめる
  • 完璧主義ではない
  • 週末の時間を使える
  • 多少の失敗を経験として受け入れられる

DIYが向いていない人

  • すぐ住み始めたい
  • 時間よりお金を優先したい
  • 完璧な仕上がりを求める
  • 工具を扱うことに抵抗がある
DIYは費用が安く済むイメージがあると思いますが、あれこれ工具をそろえると5万10万とかかってしまいます。また、電動工具を使うと騒音やゴミが出てくるので後始末も大変になってきます。間違えてやり直しになったり、材料が足りなかったり、最初はいろいろトラブルもでてきます。
でも!DIYはすごく楽しく、熱中できますし、やっていくと成長していくのを実感できます。ぜひ、DIYに挑戦してみてください!

 

DIY vs 業者:費用で比較

作業 DIY費用目安 業者費用目安 節約幅の目安
壁紙張り替え(6畳) 1〜2万円 4〜8万円 3〜6万円
内装塗装(6畳) 0.5〜1万円 3〜6万円 2〜5万円
フローリング重ね張り(6畳) 3〜5万円 10〜20万円 5〜15万円
電気工事(コンセント増設1箇所) 1.5〜3万円
外壁塗装(一棟) ✕〜△ 60〜120万円 条件次第

※費用は2026年時点の一般的な目安です。物件の状態・地域・業者によって大きく異なります。

よくある失敗

失敗①:「構造壁かどうかわからず」撤去してしまった

「部屋を広くしたい」とDIYで間仕切りを撤去したところ、それが構造壁だったというケースがあります。建物の強度に直結するため、壁を撤去する前は必ず建築士か工務店に確認してください。

失敗②:内装を仕上げてから雨漏りが発覚

せっかく壁紙を張り終えたのに、数ヶ月後に雨漏りで壁が傷んでしまった、というのはよくある失敗です。外部からの水の侵入経路を塞ぐのが最優先。内装は後回しにしてでも、屋根・外壁・サッシを先に確認してください。

失敗③:DIYにこだわりすぎて時間コストが膨大になった

DIYは費用を抑えられますが、時間はかかります。仕事・育児をしながらの移住準備で、DIYに週末が完全に埋まってしまい、精神的に疲弊するケースも少なくありません。「時間単価」で考えて、費用対効果の低い作業は業者に外注する判断も必要です。

DIYか業者か迷ったときの判断フロー

まず確認:法律・資格が関わるか?

→ YES → 業者に依頼(例:電気・ガス・水道配管・構造工事)

次に確認:失敗したとき取り返しがつくか?

→ NO(構造・外部防水・耐震) → 業者に依頼

次に確認:高所作業が伴うか?

→ YES(屋根・高所外壁) → 業者推奨

ここまで全部NOなら:

→ DIYを検討してよい(壁紙・塗装・床・断熱材など)

チェックリスト:DIY着工前に確認すること

□シロアリ被害の有無を床下点検で確認した
□雨漏り・外壁の劣化がないか確認した
□撤去しようとしている壁が構造壁でないか確認した
□電気・ガス・水道の配管位置を把握した
□断熱工事の順番(内装より先)を確認した
□使用する工具・材料をリストアップした
□作業時間の見積もりを現実的に立てた
□万一失敗した場合の対処・費用を想定した

まとめ

DIYと業者の線引きは、「法律・資格」と「失敗時のリスク」の2軸で判断すれば迷いません。

  • 電気・ガス・水道配管・耐震補強・構造壁撤去 → 業者一択
  • 壁紙・塗装・フローリング重ね張り・断熱材追加 → DIY推奨

地方の古民家・空き家はシロアリ・雨漏り・断熱ゼロといった固有リスクがあるため、DIY前に建物の状態確認を先行させることが最重要です。

まず動くなら、リフォーム会社に「現状診断だけ」を依頼するか、複数社で見積もりをとることをおすすめします。

FAQ

Q1. 電気のスイッチカバーやコンセントのプレート交換もDIYでできますか? プレート(カバー)の取り外し・交換だけであれば、電源を切った状態で行う分には資格不要のケースが多いです。ただし、内部の配線に触れる場合は電気工事士の資格が必要になります。不安な場合は業者に確認してください。

Q2. 地方移住者向けにDIYリノベの補助金はありますか? 自治体によっては、移住者向けの住宅改修補助金や空き家活用補助金が存在します。ただし制度の有無・金額・条件は自治体ごとに大きく異なり、年度によって変わることもあります。まずお住まいの(または移住予定の)自治体の窓口や公式サイトで確認してください。

Q3. 業者に頼むとき、相見積もりは何社取るべきですか? 最低でも3社が目安です。地方では業者数が限られることもありますが、一括見積もりサービスを活用すると効率的です。見積もりの比較では「金額だけでなく工事内容の明細」を必ず確認してください。

Q4. DIYで使う電動工具はレンタルできますか? ホームセンターや工具レンタルサービスで借りられる場合があります。初めて使う工具は購入前にレンタルで試すのが賢明です。地方ではレンタルできる店舗が少ないこともあるため、事前に確認してください。

Q5. 古民家をDIYリノベする場合、どの工事から始めるのがよいですか? 優先順位は「外から内へ」が基本です。①雨漏り・外壁補修 → ②シロアリ・床下処理 → ③断熱工事 → ④内装(壁・床・天井)の順で進めると、やり直しが最小限になります。

 

この記事で紹介した内容は、私自身が実際にキャンプ場や宿を運営する中で経験したことをもとにまとめています。
現在は兵庫県香美町小代で
「サウナ付き貸切古民家宿オジロトマーロ(OJIROTOMARLO)」
を運営しています。
これからキャンプ場開業や地方での事業づくりを考えている方は、実際の現場も参考になると思いますので、よければ公式サイトもご覧ください。
OJIROTOMARLO
タイトルとURLをコピーしました